この作品は、ほぼプラトニックではありますが、全体のトーンは微乙女風味であり、また、ごく一部(十二章)に女性向な表現を含んでいます。そういったものがお嫌いな方、そんな沖田と土方なんて許せない!という方は、右のBACKでお戻りください。 |
桜の散り様は見事だけれど……、
春の淡雪と同じで、落ちれば消えてしまう儚いものですね――。
ひとの世もそうではないか。
命も、夢も、すべては瞬時の幻にすぎない。
だからこそ、ひとは、限られた生を精一杯生きているのだ。
(終章 「終焉、あるいは出発」より)
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登場人物紹介 | |
■沖田総司 | 新選組一番隊組長。労咳に冒されながらも、純粋な心を失わない若き天才剣士。土方を兄のように慕っているが……。 |
■土方歳三 | 鬼の副長。総司には優しい一面を見せるが、隊士たちからは恐れられている。新選組のためなら、とことん冷徹になれる男。 |
■近藤 勇 | 新選組局長。土方とは幼馴染で、強い信頼関係で結ばれている。隊士たちの人望もあるが、政治好きな一面も。 |
■山南敬助 | 新選組総長。まじめで人当たりもよく、土方とは対照的な人物。池田屋事件以後、次第に対立を深めていく。 |
■原田左之助 | 新選組幹部。豪放で、人情に厚い好漢。密かに総司の体を気遣っている。 |
■千穂 | 東山五条坂に住む武家の未亡人。土方とは相思相愛の仲らしいが、何か秘密があるようだ。 |