I LOVE 三国志
祝!白井三国志復刊 |
◆白井三国志って知ってる? 「白井三国志」……なんていっても、知ってる人には今さらだし、知らない人にはさっぱり分からないでしょうね。 確かに、マイナーといえばマイナーかな。でもわが家では、これが定番中の定番。特に娘は、三国志の「さ」の字も知らない時から、これだけは読んでいましたからね〜〜。今でも、彼女にとっての三国志は、白井恵理子さんのコミックと三国無双の世界に尽きるようです(笑)。 というわけで、「白井三国志」とは、白井恵理子さんの一連の三国志4コマまんがのことをさします。具体的には「STOP劉備くん!」シリーズ3冊と「GOGO玄徳くん!!」シリーズ3冊が出ていて、タイトルと出版社は違いますが、内容はほぼ同じ。 最初は「小説JUNE」に掲載されていましたが、その後「コミックトム」「トムプラス」に移りました。タイトルの変更は、このあたりの事情によるものと思われます。 掲載紙の廃刊とともに連載打ち切りになってしまい、とても残念だったのですが、最近「三国志マガジン」で復活したのを知り、狂喜しています。 「三国志マガジン」は立ち読み専門なので、大きなことは言えません(笑)が、本屋さんで立ち読みしていても、思わず声を出して笑っちゃうほど面白いのです。もう、最高〜〜!! かれこれ20年も前から続いている(!)というのも驚きですが、その時々の時事ネタや作者の白井さんがはまっているネタが満載で、今読むと、何ともいえず懐かしいんですよね。 「三国志マガジン」でも、相変わらずの時事ネタ炸裂で、オレオレ詐欺は出るわ、悪徳リフォーム業者は出るわ、白井さんのギャグセンスのよさは衰えを知りません。 さらに! 11月22日には、ついに「STOP!劉備くん」が復刊されることになりました。なぜに「いい夫婦の日」なのかは深く突っ込まず……(笑)。今、周瑜と小喬の絵が頭に浮かんだ人は、相当の白井三国志通ですぞ。 旧版のコミックスは、かなり入手が困難になっていたようなので、これまで欲しくても手に入らなかった人にとっては、本当に朗報ですね。これを機に、もっと多くの人に「白井三国志」を読んでいただけたらうれしいな。 そんなこんなで、「STOP!劉備くん」復刊を記念して、白井三国志への愛を熱く語ってみましょう(笑)。 ◆とにかくオチャメなキャラクターたち 初期の掲載誌が「小説JUNE」だったこともあり、白井三国志の設定の根底には、江森備さんの「天の華地の風」があるようです。そのせいか、最初の頃は、(笑える)周瑜×孔明ネタがけっこうたくさんありました。 当初から周瑜って、孔明に馬鹿にされているみじめキャラだったけど、連載が進むにつれて、妻の小喬にいいようにいたぶられ、雑兵Aにはおちょくられ……いじらしさが倍増! 今や白井ワールドきっての悲しい(くせにやけに可笑しい)キャラ、ナンバーワンになってしまいました。 ところで、衣装とか被り物とかキャラのビジュアルは、NHKの「人形劇三国志」が元になっているんですね。んでもって、顔も性格も、みんなすっご〜〜くかわいい! 呂布、関羽、張飛といった豪傑はもとより、あの董卓でさえも、白井さんの手にかかれば、お茶目な独裁者に変身してしまうのですから(言動はあいかわらず不気味ではありますが)。 一人ひとりのキャラについて語りだすときりがないのですが、私の一番のお気に入りは、脳みそまで筋肉な(爆)体育会系馬超です。ほんっとにもう、バカにしか見えない(……ごめん)。 コミックス何巻目かで、彼が普通にセリフを言っているのを読んだときは、「え〜〜、馬超ってまともにしゃべれたんや!」と感激したほどですから(笑)。型破りな彼の言動には、毎度爆笑させられています。 それから孔明の兄上、諸葛謹のキャラクターも捨てがたいですね。天才的な弟に対して常に劣等感を抱いている謹兄は、ことあるごとに落ち込んで穴を掘るのですが……。孔明が真にこの世で恐れる人物は、謹兄と孟獲だけ、という噂は真実なのでしょうか? 井戸の中で元気に暮らすスウリン(劉備の奥様)には笑えるし、泣き虫姜維もかわいいっ!もちろん、お馬鹿な連中にふりまわされる孔明先生もステキ。曹操はパタリロだし、夏侯惇はまんま鬼太郎だし……。趙雲は、保父さんが高じてすっかり主夫になってしまいました。 とにかく、出てくるキャラがみ〜〜んな、たまらなくカワイイのです。 もちろん三国志なのだから、当然戦争のお話もありですが、気を抜くとすぐに遠足や宴会になってしまう、とっても平和な白井三国時代(笑)。本当に、こんな戦争ならよかったのに、なんて思ってしまいます。 ◆白井三国志のツボ、時事ネタ炸裂! さて、キャラの魅力もさることながら、これでもか!とばかりに炸裂する時事ネタ、その時々の作者のはまりものネタが、とてつもなく面白いのも、白井三国志の特徴でしょう。 何しろ、始まったのが今から20年も前のこと。コミックスを読んでいると、その頃何がはやっていたのか、どんな事件があったのか、ひと目でわかってしまうのです。 サリンをもじった「サリリン」や、呪いのビデオ、スウリンの井戸暮らしなどの「リング」ネタにはツボを突かれまくりでしたし、つい先日復活した「三国志マガジン」では、悪徳リフォーム業者のネタが載っていて、立ち読みしながら爆笑してしまいました。 ちなみに、我が家で一番うけた話は、赤壁の戦いを前にして、周瑜が孔明に「水上戦に必要なものは何か?」と問う場面です。演義では「矢」なのですが、白井版では、水上戦に一番必要な武器はなぜか「モアイ像」……。(^_^;) 「3日のうちに10万体のモアイ像を作ってくれないか」と頼む周瑜も周瑜なら、「承知しました」とモアイ像を作る孔明も孔明ですよねっ。船に満載されたモアイ像が笑いを誘います……。 そして、我が家で一番うけたセリフは、周瑜の「嫁さん、ブスのくせにっ!」でした(大笑)。誰の嫁さんのことかは、お分かりですね。これについては、「今日のひとこと」コーナーをご覧ください。 本当に、こんなに楽しい三国志は、ちょっとほかにありません。 肩の凝らない三国志入門書としてもオススメですが、基本的な予備知識があれば、「白井三国志ワールド」をより楽しむことができるでしょう。 作者の白井恵理子さんが、一時は「引退か?」という噂を聞いて心配していたのですが、「三国志マガジン」での復活を見届けて安心しました。 白井さんには、まだまだこれからも、楽しい三国志を綴っていただきたいと思います。 そして、ひとつお願い。 次はぜひ、関平ちゃんを出してやってください! よろしくお願いします〜〜。 |