今月のお気に入り

やっぱり大好き!クレヨンしんちゃん
雲黒斎の野望  ヘンダーランドの大冒険  暗黒タマタマ大追跡




この年末年始、ケーブルテレビのキッズステーションで、初期の頃の「クレヨンしんちゃん劇場版」をオンエアしていました。ラインナップは、
1作目「アクション仮面VSハイグレ魔王」
2作目「ブリブリ王国の秘宝」
3作目「雲黒斎の野望」
4作目「ヘンダーランドの大冒険」
5作目「暗黒タマタマ大追跡」
の5作品。
年末は大掃除やおせち料理の準備をしながら、お正月は外出の合い間に、と何となく「ながら」で見ていたのですが、やはり見出すと非常に面白くて、途中でやめられないんですね。
結局、以前にビデオに録画してあった分まで見る羽目になり、やっぱり私ってばすごく「クレヨンしんちゃん」が好きなんだ!と再認識させられたような次第です。
そんな訳で、今月の「お気に入り」は、昔見た懐かしの「クレヨンしんちゃん」劇場版について語ってみようと思います。

それにしても、本当に年末年始って見たい番組がありませんね。
どのチャンネルを回しても、同じようなタレントが、どうでもいいようなバラエティー番組を垂れ流してるっていう感じ。
今年はドラマもイマイチ興味をそそられるものがなかったし。映画もさして見たいと思えるものがありませんでした。
ということで、結構チャンネルを合わせていたのが、「キッズステーション」だったり映画専門チャンネルだったり。でも、年末年始は忙しいので、じっくり長時間座って映画を楽しむっていう雰囲気でもないんですよね。
結局この年末年始のお休みで、一番面白かったのは、キッズステーションでやってた初期の「クレヨンしんちゃん劇場版」でした(笑)。
1作目と2作目はそれほど記憶に残っていなかったのだけれど、3〜5作目あたりはちょうど子どもが小学生くらいで、テレビでやっていた「クレヨンしんちゃん」が大好きだったこともあって、映画館まで見に行ったものです。
それでは、1作ずつ詳しく見ていきましょう。


●「雲黒斎の野望」

未来のタイムパトロール隊員リング・スノーストームは、タイムマシンで時空間を航行中、突然謎の時空魚雷に攻撃される。なんとか脱出した彼女がたどり着いた場所は、現代の野原家の地下だった。
タイムマシンから出られないリングは、緊急非常用のマイクロマシンを使い、野原家のペット(犬) シロの体を借りて、しんのすけ、みさえ、ひろしの3人に、戦国時代の謎の人物・雲黒斎が歴史を書き換えようとしている事を伝える。3人(と1匹)は、緊急用の球体型タイムマシンに乗り込み、十六世紀の戦国時代へとタイムスリップしていった。
戦国時代の春日部城の跡地に降り立った野原一家に、雲黒斎の手下の忍者軍団が襲いかかるが、少年剣士吹雪丸に救われる。吹雪丸は春日部城の跡取りで、城が雲黒斎に攻め滅ぼされてしまったという。吹雪丸は「城が危機に陥ったとき、3人と1匹の勇者が現れ、危機を救う」という言い伝えを聞かせ、野原一家に協力を求める。最初は断ろうとしたひろしたちだったが、忍者にみさえのバッグ(預金通帳・今月の生活費etc.)を奪われてしまった事から、協力せざるを得なくなってしまう。
目的地である雲黒城を目指す野原一家と吹雪丸の前に、雲黒斎の部下である凄腕の剣客 猫ノ進が現れ、吹雪丸は危機に陥る。しんのすけの強力で、吹雪丸はようやく猫ノ進を倒すが、同じく雲黒斎の部下お銀が現れ、みさえとひろしはビー玉に姿を変えられてしまうのだった。
果たしてしんのすけとシロ、吹雪丸は、雲黒斎を倒し両親を元の姿に戻すことが出来るのか。そして、歴史を守ることができるのだろうか。


わあ〜〜、懐かしい雲黒斎!
今回、大掃除しながらチラチラと見ていたのだけれど、やっぱりすごく面白くて、クライマックスの一騎打ちのシーンでは思わず真剣に見入ってしまった。
野原一家が戦国時代にタイムスリップするという設定は、後年の大傑作「あっぱれ戦国大合戦」を思わせるシチュエーションだ。
雲黒斎の正体が、実は歴史マニアの未来人である、というオチがついているため、途中から舞台は現代に戻ってきてしまうのだが、前半の戦国時代のパートのお話がよくできていて、何より私好み(笑)。
しんちゃんたちと一緒に戦う吹雪丸(実は女性なのだが)がなかなかイカシてて、猫ノ進との殺陣シーンなんてそりゃもうド迫力! セリフなんかもそれなりにしっかり時代考証されると思うし。何といっても、大人仕様(?)になったしんちゃんが雲黒斎と闘うシーンが、文句なしにかっこいい。やっぱり私って、時代劇テイストが好きみたいです。


●「ヘンダーランドの大冒険」

闇に覆われたどこかの国。ゴーマン王子はお姫様を救うため、二人のオカマ魔女マカオとジョマに立ち向かったが、オカマ魔女たちの魔法によって、呪いをかけられてしまう――。
舞台は変わって現代の日本。幼稚園の遠足で群馬にできたヘンダーランドという遊園地にやってきたしんのすけ。ひまわり組のみんなとはぐれたしんのすけは、サーカスのテントの中でトッペマ・マペットという不思議なねじまき人形と出会う。
実は、ヘンダーランドは異世界の魔法使いであるオカマ魔女マカオとジョマが潜む城だった。トッペマはしんのすけに願い事が叶えられる魔法のトランプを手渡し、マカオとジョマの地球征服計画を阻止するよう頼むが、マカオとジョマの部下チョキリーヌ・ベスタによって消されてしまう。
数日後、ス・ノーマン・パーと名乗る怪しい「雪だるま」がふたば幼稚園に現れる。しんのすけを追いかけて野原家にまでやって来たス・ノーマンがオカマ魔女たちの手下だと確信するが、みさえもひろしも、しんのすけの言葉を信じない。深夜、とうとう本性を現したス・ノーマン。しんのすけは魔法のトランプの力で現れたアクション仮面、カンタムロボ、ぶりぶりざえもんと力を合わせ、何とかス・ノーマンを追い払う。
翌日、野原一家はス・ノーマンから渡された招待券を持ってヘンダーランドへ遊びに行くが、ス・ノーマンの正体を知るしんのすけはまったく楽しめない。帰宅後、ひろしとみさえが突然しんのすけに襲いかかった。トッペマが現れて退治し、ことなきを得るが、ひろしとみさえはヘンダーランドでトイレに行った間に人形にすり替えられていたのだ。
しんのすけは囚われの身になったひろしとみさえを助け出すため、ヘンダーランドへ行くと決心する。ようやくたどり着いたヘンダーランドで、つぎつぎと襲い掛かるオカマ魔女の魔の手。
果たしてしんのすけは、ひろしとみさえを助け出し、マカオとジョマの地球征服の野望を阻止することができるのか。


この作品で感動したのは、両親を助けるためにしんちゃんが一人でヘンダーランドまで行くくだり。
たぶん、我が家からユニバーサル・スタジオ・ジャパンへ行くよりもまだ遠いと思われる道のりを、幼稚園児がたった一人で行くのである。
びっくりするくらいしっかりしていて、えらいよ! まじ、泣きそうになるくらいがんばりやさんのしんちゃん。このマンガを「子どもに見せたくない」なんておっしゃるオバサマたちに、ぜひ見せてやりたいものだ。
もちろん、ひろしもみさえも、とことんがんばります。変哲もないサラリーマンと専業主婦も、やるときはやるのよ!といういつもの野原一家ポリシーが、ここでも大爆発!
ラストの踊り対決〜ババ抜き勝負〜おっかけは、息つく暇もない面白さで、心底笑える〜〜。


●「暗黒タマタマ大追跡」

新東京国際空港。ホステスの一団が、飛行機から降り立った男を出迎えているところに、奇妙な3人組が乱入し、彼らからあるものを奪い去っていった。
千葉県警で職場の片隅に追いやられていた女刑事「東松山よね」が、この怪事件の始末をさせられることになる。
翌日、シロと散歩していたしんのすけは、道端に落ちていた光る玉を拾って家へ持ち帰るが、いつの間にか紛失してしまう。その夜、3人組のオカマが家に上がり込み、一家をニューハーフパブに連れ出した。
この3人ローズ、ラベンダー、レモンは、呪術を行う「珠由良(たまゆら)族」の末裔で、かつて協力し合っていた「珠黄泉(たまよみ)族」が、世界征服の野望を抱いて魔神ジャークを復活させようとしていることを知り、これを阻止するために行動しているのだという。実はしんのすけが拾った玉は、魔神ジャークの復活の鍵になる2つの"タマ"のうちの1つだった。そしてその玉は、こともあろうにひまわりが飲み込んでしまっていた。そのため、野原一家も争いに巻き込まれることになってしまう。
3人組と一家は、珠黄泉族の追撃を避けるため、青森にある珠由良族の本拠地に向かうことに。しかしそこで、空港にいた男 ヘクソンの襲撃を受け、"タマ"とひまわりは珠黄泉族の本拠地へと奪いさられてしまう。
果して彼らは、"タマ"とひまわりを奪還し、魔人ジャークの復活を阻止することができるのか。


これも、最後までハラハラドキドキな傑作だった。このテンポのよさこそが、クレしん劇場版の真骨頂だね。
この作品で、初めてしんちゃんの妹ひまわりが登場する。しんちゃんがちょっと妹に妬くところなんかも出てくるんだけど、それはそれで、すごく自然でいいなと思う。
もちろんここぞという場面では、妹を守るために、それこそ我が身を顧みず大奮闘するんだけど。
珠由良族の本拠地で登場する七人のじいさんたち(七人の侍のパロディだ)が、なかなかにかっこよかったりして(笑)。
もちろんこの作品でも、家族のためならとことんがんばっちゃう野原一家の絆の強さが存分に描かれている。


いやいや、こうしてみると、私ってほんとに「クレしん」好きですね。
特に今回オンエアされた作品は、それなりに思い入れのあるものばかりだったので、懐かしさもひとしおでした。
「クレヨンしんちゃん」というと食わず嫌いな方も多いかもしれませんが、なかなかどうしてこのエンターティメントっぷりは、たかが「お子さまアニメ」とあなどれませんよ〜〜。ぜひぜひ、もっとたくさんの人に見てほしい作品です。


2007/1/5

オラの公式ページだぞ!見れば〜
アニメ(テレビ朝日)だぞ
コミック(双葉社)だぞ
「あっぱれ戦国大合戦」のページも見れば〜

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