いにしえ夢語り蜀錦の庭三国志を詠う

語り部が「ひとめぼれ」した姜維さま!(by よもぎさん)



散  華
(詠み人 翠蓮さん/BGMも)


焔(ほむら)のごとき紅き花
人知れず
この胸の奥深く息づく


これは
あなたが遺した想いなのだ


水が
高きから低きへと滑り落ち
堰きとめられ
逆流するかと思えた時


その対岸に
あなたがいたのだ


わたしに やわらかく
光を投げかけたのだ


そして
わたしの路は決まった


あなたの志を継ぐために


そのためだけに
わたしは
流されてきたのかもしれない


受け止めし紅の花は
風になびき
熱に震え
激しさに慄きながら


それでも
散り行くその日まで
色褪せはしないだろう


わたしは
燃ゆる花を抱きつつ
これからも
流れて行くのだ


滔々と


白刃のごとく
鋭く澄んだ水のまま


強く尊いあなたの遺志を
挫くことなく 旗と掲げて
ひたすら奔りつづける
この宿命(さだめ)を


そう生きるべく
天から選ばれしことを
いまこそ誇りと思う


いつか
遠き旅の果て
この指に
己が命の花びらを受くる時


わたしは微笑んで
透き通る流れに
鮮やかな紅を散らそう


濁ることなく生きたのだと
眼(まなこ)をまっすぐに向けよう


光の路を残せし人よ


あなたは
見届けてくれるだろうか


奔流と化したる
我が生き様を



◆◇「散華」によせて◇◆

この詩(翠蓮さん)とCG(よもぎさん)は、私が自分のHPを開設するにあたり、ほとんど無理やり(笑)お二人からいただいてきたものです。
こちらの元になっているページは、春野蓬さん(以下よもぎさん)を中心とする女性スタッフで運営されている三国志創作サイト「銅雀台桃花大酒楼」の中にあります。

実を言いますと、初めて「銅雀台桃花大酒楼」を訪れるきっかけになったのが、この姜維くんの「散華」のイラストなのでした。
我が家にパソコンなるものがお目見えし、ようやく待望のインターネットができる〜!とわくわくしながら、毎晩「三国志」やら「新選組」やらを検索していた私。
そんなある日、「姜維イラスト」というキーワードで、見事よもぎさんの「散華」がヒットしたのです。そこには、なんとも華麗で、凛としていながら、どこかに翳をにじませた若き武将の横顔が……。
また、そのイラストに添えられていた翠蓮さんの詩も、本当に私の感性にじんじんと響いてくるものでした。

それがきっかけで、銅雀台スタッフのみなさんとの濃ゆいお付き合いが始まりました。その意味でも、「散華」は私にとって特別な意味を持っています。
今回、開設記念として、よもぎさんからは新しく姜維くんの描き下ろしをいただきました。それはそれでとってもすばらしいのだけど、やはり「散華」の詩には旧のイラストを添えておこうと思います。
あの日の、この胸を満たした熱い感動を、いつまでも覚えていたいから。

よもぎさん、翠蓮さん、ありがとうございました。これからも、どうぞよろしくお願いいたします。



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