いにしえ・夢語り千華繚乱の庭物置小屋落書きの部屋

アーサーとマーガレット

アーサーとマーガレット(メアリー・スチュアートより)

時は16世紀。スコットランドは、女王メアリー・スチュアートとボスウェル伯ジェームズ・へバーンの禁断の恋により、大きく揺れていた。
ボスウェルをスコットランド王位に就けることを夢見る野望の若者 アーサー・クラインが密かに想いをよせたひとは、ボスウェルの最初の妻 マーガレット・ハントリだった。 (あなたの不幸は私のせいだ……)
女には女の哀しみ、そして男には男の哀しみがある――。
歴史の歯車は、大きくきしみながら回っていく。

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はるか大昔に、マンガのプロットとして考えたお話。ベルばらにはまっていた頃で、かなり影響を受けてますね〜〜。
メアリー・スチュアートとボスウェル伯の恋は広く世に知られていますが、ここで語られるボスウェルは、かなり自分勝手で非道な男。自分が王位に就くために、メアリーの女心をもてあそんだ……というのが定評です。
ところが、私はどうしても、極悪なボスウェルというのをイメージすることができません。彼の行動は、野望というよりも、すべて女王への一途な愛からきていると思えてならないのです。いつか、そんな彼の復権を果たしたい――と、これは私の密かなる野望。
イラストのアーサー・クラインは、実在の人物ではありません。例によって、はじめは脇役だったはずが、どんどんキャラが大きくなって、ついに主人公をくってしまったという、私のいつものアレです(笑)。(2005/10/19)