今月のお気に入り
2008年になって最初の「お気に入り」は、去年の年末から急にはまってしまったアニメ「おおきく振りかぶって」を取り上げようと思います。 いや〜、この年になって野球アニメにはまるとは…自分でもちょっぴり不思議なんですけどね。 原作のマンガの方は全く読んでいないので、アニメのみの感想になりますが、原作ファンの方もどうぞしばしお付き合いくださいませ。 「おおきく振りかぶって」(略して「おお振り」)は、月刊アフタヌーンに2003年から連載中のひぐちアサ作の野球マンガです。アニメの方は、昨年4月から10月まで放映されていました(全25話)。 「すごくいいよ〜」っていう噂は、以前から結構あちこちで聞いていたんですけれど、特に目にする機会もなくて。 今回、CSのアニマックスで放送されているのを、最初のうち飛び飛びに見ていたんですが、いっぺんにファンになってしまいました。っていうか、すっごく面白いんです! 野球をテーマにした話って、それこそ少年マンガの定番中の定番であり、これまでも非常に多くの作品が生み出されてきましたよね。テーマもストーリーもキャラクターも、ほぼ描き尽くされたと思われていた野球マンガに、こんな新鮮な切り口があったとは、とまずびっくり。 「おお振り」は一口で言うと、新しくできた1年生ばかりの西浦高校野球部がチームワークで甲子園を目指すという、まあこれだけ聞けばよくある野球マンガの王道ストーリーなのですが、そこで描かれるのはあくまでも「部活」としての高校球児たちの日常です。 これまでの野球マンガにありがちな、びっくりするような天才少年が登場するわけでもないし、魔球や掟破りの必殺技が炸裂するわけでもありません。 ピッチャーは100球投げればそれなりに疲れるし、考えに考え抜いた監督の読みがはずれることもある。ここ一番、ってときにエラーもするし、緊張もする。ごくフツーの高校球児たちの、ごくフツーの部活なのに、なぜか話はとんでもなく面白いんですよね。 それぞれの登場人物たちが、等身大の高校生の男のコだからいいのかなあ。ああ、見るからに青春してるよ、って感じで。 実際に野球をやっていた人は、自分の青春時代をそこに重ねることができるでしょうし、そうじゃなくても、夏の甲子園で繰り広げられる熱闘に感動した記憶は、誰でも持っているはずですから。 そんな熱くて、ちょっぴり苦くて、でもさわやかな「あの頃」を思い出させてくれる、とっても健全な高校野球マンガなんです。 ●あらすじ(ウィキペディアより) 主人公の三橋廉(みはし れん)は中学時代、祖父の経営する群馬の三星学園野球部でエースを張る投手であったが、チームメイトからは「『ヒイキ』でエースをやらせてもらっている」と疎まれ続け、極端に卑屈な暗い性格になってしまう。その暗い思い出を拭うために埼玉の西浦高校へと進学する。 西浦高校には発足したての野球部(正確には軟式が硬式野球部になった)があり、部員は新入生ばかり10人、しかも監督は若い女性、という部活だった。部員不足の野球部で三橋はエースを任せられるが…。 個性の強い部員達、しかも肝心のピッチャーは弱気で性格に難あり…等々、様々な問題を抱えながらも、人間として、そして野球部としての成長を描く。 とにかく何が面白いって、試合中のピッチャー(というか、どっちかというとキャッチャーね)とバッターの駆け引き、さらには監督同士の心理戦がものすごく真に迫ってて、もう一球一球目が離せないんですよ。 本当に試合のとき、キャッチャーってこんなにいろんなこと考えてるんだろうか? 阿部くんって天才〜〜! 主人公の三橋は、やることなすことリアクションまで少々ウザ過ぎて、私的にはあまり好きではありませんが(爆)、そんな三橋をなんとか盛り立てていこうとするチームメイトたちがすばらし過ぎです。 キャッチャーの阿部くんはじめ、花井くん、田島くん、泉くん、西浦高校のコたちって、みんなとってもいいコたちです。女性監督の百枝まりあもいい味出してるし…。 さらには相手チームの選手たちも、細かいところまできちんと描かれていましたし。 私は三橋があまり好きじゃない、なんて書きましたが、実はこのマンガの面白さは、主人公三橋の設定の妙にあるとも言えるんですねえ。 球速は110キロ台、決して早くはありません。剛速球で相手バッターを三振に切ってとる、という今までの野球マンガの主人公とは、全くタイプが違います。 でも、彼にはストライクゾーンを9分割し、思ったところへ自在に投げられる抜群のコントロールのよさという「武器」があるのです。中学校の時のチームメイトたちはそのことに気づかず、ひいきでエースをやらせてもらっていると思い込み、三橋を毛嫌いしていたんですね。 三橋自身も、周りからいじめられる中で、自分の才能に気づかずに自信喪失してしまっていたのですが、そんな彼のピッチャーとしての素質のすばらしさに気づいたのが、新しいバッテリーの阿部だったんですね。 阿部は、三橋のコントロールがあれば、そして彼が「自分の指示どおりに」投げてくれさえすれば、三橋を勝たせてやることができると考える。最初は、そんな「俺様」っぽい考え方しかできなかった阿部ですが、バッテリーとして三橋と接するうちに、本当にキャッチャーとして彼を支え、彼の力になってやりたい、という思いに目覚めていきます。 このあたりの阿部の気持ちの揺れというか、三橋に対する愛しさみたいなものが生まれてゆくところ、すごく分かりやすく描かれていたと思います。 さて、アニメでは、三橋が中学校まで在籍していた三星学園との練習試合、そして夏の甲子園埼玉県予選の第1回戦、昨年の優勝校である桐青高校との試合、の二つの試合が中心になっています。っていうか、2試合やるだけで25話…。これだけでも、いかに試合経過を大切に描いていたかが分かりますよね。 最初の三星学園との試合では、三橋が、自分に全く自信が持てなくて後ろ向きな性格になってしまった中学時代のトラウマが明らかになり、阿部やチームメイトたちの後押しによって、その過去を乗り越えていく姿が描かれます。 さらには、互いに全力を尽くして試合をした結果、かつてのチームメイトとの間にあった埋めがたい溝が埋まり、お互いに相手を認め合うことができた、という青春ドラマそのものの展開。(ちょっと赤面しちゃう…) この試合に勝つことによって、初めて三橋は本当の西浦高校野球部のエースになることができたというわけです。 そして、次には夏の甲子園予選県大会。 キャプテン花井は、第1試合の相手に、こともあろうに昨年の優勝校桐青高校を引いてしまう。びびりまくる選手たちを尻目に、百枝監督は練習メニューを増やし、本気で勝ちに行くと宣言。 やがて三橋の幼なじみである浜田が中心になって、応援団も出来上がります。 そして、いよいよ夏の予選が始まります…。 実は、現在土曜日に2話連続放送しているのを録画しておりまして、この辺りまでしかきちんと見ていないんですよね。 まあ、一応最後までは飛ばし飛ばしに見た回もあるんですけれど、夕ご飯食べながら…とかで、ちゃんと最初から最後まで集中して見れていない状況でして(爆)。 最終回まできちんと見たら、またこの記事に付け足してアップしたいと思っています。とりあえず、今回はここまで、ということで。中途半端ですみません。m(__)m ただ、途中まで見た段階で、久々にはまれる作品に出会えたかも〜という予感が、ひしひしとしていました。そして、その予感は見事的中! 個人的にはキャッチャーの阿部くんに熱い思い入れを感じております。 桐青高校との試合も、名場面続出で、特に23話・24話あたりの話の盛り上がりは体が震えました。この辺りも、また次の更新でたっぷり語りたいと思います。 2008年も「おお振り」で決まり!かな〜。(^^) |
2008/1/1 |