今月のお気に入り

ヒカルの碁

5月5日……それは、佐為がヒカルの前から消えた日。

私の声が…聞こえるのですか?



今、一番はまっているもの。
恥ずかしながら、TVアニメの「ヒカルの碁」です。
本放送は、もうとっくに終了してますが、何度もビデオを借りてきては、見直しています。
さらに、少し以前のことになるのですが、ケーブルテレビに加入したところ、「囲碁・将棋チャンネル」と子ども向けのアニメチャンネルで「ヒカ碁」を放映しているのを発見! もう、大感激〜〜!
この機会にしっかり全話録画しようと、はりきって録画予約をしてはみたものの……忘れたり失敗したり、これがなかなかうまくいきません(涙)。という訳で、我が家のライブラリにはとびとびの「ヒカ碁」ビデオが……。

ストーリイ紹介(ネタバレ注意!)

主人公の
進藤ヒカルは、ごく普通の家庭の、ごく普通の小学生。
悲壮感漂うわけでもなく、どちらかというと、軽いノリの(あまりお行儀のよくない)今風の子どもです。
そんな彼が、非業の死を遂げた平安時代の碁打ち、
藤原佐為〈ふじわらのさい〉の幽霊と出会い(取り憑かれ?)、さらに同い年の天才囲碁少年(父は四冠の塔矢名人という超エリート!)塔矢アキラと出会うことによって、碁の世界へとのめり込んでいきます。
いやー、永遠のライバルっていうのは、「あしたのジョー」の昔から、やっぱり少年マンガの不滅のテーマなのですねえ。
毎日を何ということもなく、ただ過ごしていたヒカルは、碁を通して、自分のすべてを燃焼させることのすばらしさ、勝負の世界の厳しさを知ってゆくのでした。

初めは何も分からず、ただ佐為の言うままに打っていたヒカルですが、やがて「自分で打ちたい!」という思いに目覚めてゆきます。
もともと囲碁の才能があった(といっても、本人はもとより誰も気づかなかった訳ですが……笑)のでしょう。中学の囲碁部に入り、やがて日本棋院の院生になり、ついにプロ棋士を目指すヒカル。すべては塔矢アキラに追いつくために。
しかし、あまりにも突然、佐為との悲しい別れが訪れます(涙〜〜)。

ヒカ碁はスポ根?

それにしても、私たちの世代(あはは……)なら「スポ根」と呼んでいたジャンルが、今はきっとこんな風に様変わりしているのでしょう。
血へどを吐くわけでも、汗と涙の特訓があるわけでもないんだけれど(ステキな鬼コーチが出てくるわけでもない……笑)、一手一手に込める気迫、一つの勝負にかける熱気、これはまさしくスポ根のスピリットですよね。

しかし、碁なんて地味な世界がマンガになるのかいな? と思っていた私。
第1話を見て、はっきりいって腰抜かしました(爆)。……お、面白すぎる!
ちなみに私、碁のことなど皆目知りません。今でも全然わかりません。で、毎回まったくわからずに見ているのですが、囲碁のシーンはめちゃくちゃ面白くて、つい引き込まれてしまいます。
正直、盤面の石の並びなんて見ても、どっちがいいのか悪いのか見当もつきませんし、たとえばヒカルの打った一手に塔矢がはっとする、というシーンで、なぜその一手がすごいのか? なんてこともさっぱり……。

そんな頼りない視聴者なのに、なぜかすごい緊張感。
どうしてなのかなあ? と考えてみたら、つまりは演出のうまさなのですネ。
囲碁の細かいことは分からなくても、対局の雰囲気というか空気感みたいなものはビンビン伝わってくる。
名人
塔矢行洋〈とうやこうよう〉を前にしたときの、鬼気迫る佐為の気迫とか、ヒカルが心から「強くなりたい!」って願う魂のほとばしりとか……。登場人物のそういった心の高ぶりが自然と伝わってきて、見ている私たちも思わずその世界に引き込まれていく、というところでしょうか。

そういえば、佐為が消えた後、必死になって佐為を捜し求めていたヒカルが(この辺りは見ているのがつらいです)、棋院の資料室で本因坊秀策(実は佐為)の棋譜を見て、「神様、佐為と出会ったあの日に時間を戻して!」と号泣するシーン、私も思わずもらい泣きしてしまいました。

主人公の成長とともに進化する絵

「ヒカ碁」の魅力の一つは、何といっても、絵がとってもきれいなこと。
ヒカルはかわいいし、佐為はうっとりするぐらい美しくてため息モノ!
佐為ったら烏帽子かぶってて平安時代の格好しているのに、なぜか髪は総髪ストレートのロン毛だし(しかも紫よ、紫!)。
碁を打っているときはひたすらかっこいいのですが、ふだんはとびっきりお茶目なところもあったりして、そこがまたかわいいんですね〜〜。
さらに、北斗杯編のヒカルはすごく大人っぽくなってて、ドキッとするほどステキ。特に原作の方では、小畑先生の絵そのものが進化しているというか、後になるにしたがって、どんどんシャープに、美しくなってくるんです!
最初の設定なんて小学校6年生だもんね。ヒカルも塔矢も、大きくなったものです(笑)。

ヒカ碁スキーが昂じて、ついに先日、4000円近くもするイラスト集「彩」を、とうとう買ってしまいましたよ。
うへ〜、散財だわ〜〜。
でもいいの、佐為がステキだから……ってか。

原作に忠実に、しかもハイクオリティだったアニメ

アニメではまった「ヒカ碁」ですが、その後、コミックスも全巻読破しました。
で、ちょっと驚いたのが、アニメがマンガの原作にとても忠実に作られていたことです。
マンガを原作にしたアニメって、途中で何となく展開が変わってしまったり、最初からまったく別物だったり(デビルマンとかね……)して、どちらかでがっかりしてしまうことが多いんですが、その点「ヒカ碁」はセリフまでほとんど一緒で、本当に丁寧に作られていました。
これなら、原作のファンも納得! ですね。また私のように、アニメから原作に戻った者も、期待を裏切られることはありません。

ところで、マンガでは、佐為が消えた後のヒカルの活躍を描く「北斗杯編」があります。
アニメでも、「北斗杯への道」というタイトルで、前半部分だけスペシャル番組で制作されました。だけど、中途半端じゃない? あそこまでやったのなら、ぜひぜひ最後まで、ヒカルと韓国のプロ 
高泳夏〈コ・ヨンハ〉との対戦までやりきってほしい!
ファンは皆、北斗杯でのヒカル、塔矢、
〈やしろ〉たちの雄姿を待っているんですからね。
テレビ東京さ〜〜ん、どうか、よろしくお願いします。

2005/5/5


も〜っと「ヒカルの碁」っていうヒトは、こちらをどうぞ
●少年ジャンプ公式HP
●テレビ東京公式HP
●スタジオぴえろ公式HP

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