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Web拍手お礼用






初めは……

なんていけすかない人だろうと思った
意地悪で 不機嫌そうで
あなたの心がまるで見えなくて

知らなかったの

意地悪な言葉の裏に
とても優しい思いやりがこめられていたことを

不機嫌な視線の奥に
深い悲しみと孤独が隠れていることを


いつからだろう……

日常のなんでもない風景の中に
あなたの姿ばかりを追いかけるようになったのは

ある日突然 恋に落ちるのではなくて
自分で気づかないうちに どんどん好きになっていく
そんな恋もあるのね


これからも
きっと私は あなたに魅せられていくでしょう
自分ではどうしようもない 強い力に引き寄せられて

今 胸の奥底でふるえている
あえかな不安と期待

それは 確かな恋の予感――




姜維とその妻となる香蓮の物語を、ちょっとリリカルな形で書いてみたいと思い、新しいシリーズを連載することにしました。
二人の恋は、決してドラマチックな出会いでも、ロマンチックな展開でもなく、どちらかといえば何気なく始まり、地味に静かに進行します(笑)。
でも、普通、人を好きになるときって、自分でも気づかないうちに、相手の存在が自分の中で大きくなっているんじゃないでしょうか。
このシリーズでは、そんなナチュラルな二人の思いのやりとりを、優しい目線で追って行けたらいいなと思っています。

◆加筆したページはこちら→「予感」