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Web拍手お礼用


逝かないでくれ…総司



暮れなずむ 薄闇の中
ひとつ ふたつと 蛍が舞う

ゆっくりと明滅するその光は
まるでお前の命のようだ

今にも消えてしまいそうな
常闇の彼方に連れ去られていきそうな

体温を感じさせない 冷たく 青い炎

だが
幻想的なまでに美しいその光は
一夜明ければ消えてしまう


――消えないでくれ!
――逝かないで…くれ
――総司      


俺のまわりを取り巻くように
瞬きながら乱舞する 青く輝く儚い命

満天の星月夜の彼方
お前の横顔が ふっと笑った
…そんな気がした

愛しい命の残り火を そっと――
手のひらに 胸の底に 抱きしめる夜







五月三十日は沖田総司の命日です。
実は、この日にあわせて「沖田くん命日追悼小説」をアップしようと考えていたのですが、パソコンのクラッシュのあおりを受けて、すべて吹っ飛んでしまいました(どこにもバックアップを取っていなかった私が悪い…泣)
八分どおり出来上がっていたのですが、今更思い出せるわけもなく…。仕方がないので、Web拍手お礼用の詩にして、お茶を濁してみました。m(__)m

慶応四年六月。宇都宮攻城戦で足を負傷した土方歳三は、会津東山温泉に逗留してその傷を癒していました。その彼のもとに、江戸で病を養っていた沖田総司が死んだという報告が届きます。
その夜、沖田の死を悼む土方の周りには、視界いっぱいの蛍が飛んでいたんじゃないかなあ…と、これは私の想像です。