いにしえ夢語り浅葱色の庭讃・新選組




箱館の空に向かいて この胸の

     燃ゆる想いを いかに伝えん









北国に 消えにし魂のやすかれと

      今は祈らん 五月雨の朝



ようやく、長い間の念願だった土方歳三終焉の地、函館一本木関門跡を訪れたのは、夏の日の午後だった。
(トシさん、ようやく来れました……)
家族が一緒だったこともあって、ことさらにさりげない顔をして碑の前で手を合わせたが、ひとりだったら泣いていたかもしれない。
ここに、あのひとの血が染みついている。確かに……遠い日の鼓動が今も聞こえる。
振り仰げば、夏の日差しはまぶしくて、空は悲しいほどに高い。
あなたの夢が、今も大空に舞っているようだ。

BGM 想起来/From「遠来未来」