今月のお気に入り

UFOロボ グレンダイザー




先々月の『ベルサイユのばら』に続き、今月もまた、とっても懐かしいものを取り上げようと思います。
それはね……『UFOロボ グレンダイザー』。
あは♪ こんなの知ってる方がいたら、それは相当古いアニメオタクかもしれません(笑)。あの当時は、まだ「アニメ」なんていう言葉も一般的じゃなくて、「テレビ漫画」とか呼んでましたもんね。
とにかく、今の私を語るにあたって、「グレンダイザー」というのは避けては通れない作品であり、いずれは取り上げなくてはならないなあと思っていましたので、今回重い腰を上げて、懐かしの「グレンそして大介さん」への愛を叫んでみることにしました。

◆今回の原稿をまとめるにあたり、何しろ記憶媒体(映像)が全くないため、詳しい内容やあの当時の熱にうかされたような思いをほとんど忘れかけておりました。
仕方がないので、学生時代にサークルで作っていた会誌や、友人の身内同人誌に寄稿した原稿などを参考にしています。
当時の会誌ときたら、もう、やたらあちこちに主人公の大介さん(デューク・フリード)のカットやらハートマークやらが飛び交っておりまして(恥)、それを眺めているうちに、ちょびっとだけ若かったあの頃の情熱がよみがえってきました。
今の気分とは多少食い違う部分もあったりしますし、文章がしっちゃかめっちゃかだったりしているところは、どうぞお許しを。



●すべては「大介さん」から始まった!

大学生にもなって、なぜ私がそれまでほとんど関心のなかったアニメに、泥沼のようにはまってしまったのか? その原因が、偶然「グレンザイザー」を見てしまったからであり、主人公である大介さんに一目惚れしてしまったからだ、というのは、知る人ぞ知るかなり有名な(?)事実であります。
その意味で、グレンというのは私にとって、他の作品とは同一次元では語れない特別なものなんですね。「作品として良い」というのと、「好きだ〜〜!」というのとは、全く別物なんだということも、実感として感じてますし(笑)。
ともかく、大学1回生も終わり近くなった2月1日、あの日あの時間にテレビをつけなければ、8チャンネルがかかっていなければ、小松原一男さんが作画監督をされた回でなかったならば、そして大介さんのどアップが映らなければ……おそらく、今の私はなかったでしょう。
何しろ、(あ、何だ、マンガか)と思ってチャンネルを回しかけた手を、思わず止めて画面に見入ってしまったんですから。
これって、やっぱり「一目惚れ」ですよね〜〜。
それからというもの、私の泥沼アニメ生活が始まります。
東京の人たちが中心になって活動していたグレンダイザーのファンサークルに入り、同人誌活動に手を染め、他大学などのアニメ上映会にせっせと出かけ、ついには、自分の通っていた大学でアニメ同好会を立ち上げるという……。
なんか、あの頃は、めっちゃパワーあったんだなあ(遠い目)。
そうして、残りの大学生活3年間をアニメにおぼれまくって過ごしました。「アニメの演出家になりたい」と言って両親に猛反対され、真剣に家出しようかと考えたことも一度や二度ではありません。
結局は踏ん切りがつかず、大学卒業と同時に、その頃はまっていた「宝島」も終了し、私のアニメ狂いは終わりを告げたのでした。
それから後も、ずいぶん長いこと「アニメに燃えた日々」の影響は後をひいていました。どうも不完全燃焼だったみたいで、サークルの友人たちとは、その後も長くお付き合いが続いていましたし。
とはいえ、社会に出れば、そういつまでも趣味にばかりおぼれているわけにもいきません。
ましてや結婚し、子どもが産まれると、それこそ毎日が精一杯。
足早に過ぎ去っていく時間の流れの中で、ただ呆然と佇み――。なんていうと聞こえはいいけど、ようするにズルズルと今日まで過ごしてきたようなわけです。


●寝ても醒めても…(笑)

肝心の「グレンダイザー」に話を戻しましょう。
「UFOロボ グレンダイザー」は、昭和50年10月から52年2月までフジテレビ系で毎週日曜日7時から放映された、東映動画製作のロボットアニメです。
例によって、ウィキペディアからあらすじをひろってみると、
「平和に他の星と共存していたフリード星だったが、ある日、宇宙征服を目論むベガ星連合軍の、円盤獣による侵略攻撃を受けて滅亡する。王子デュークは、フリード星の守護神「グレンダイザー」が組み込まれた宇宙船スペイザーで脱出。地球に落ち延びたところを宇宙科学研究所の所長・宇門源蔵博士に救われ、養子“大介”を名乗ることにした。
一方、デュークの脱出成功を知ったベガ星連合軍の司令官ガンダルは、部下ブラッキー隊長にデューク抹殺と地球侵攻を命令する。
かくして、デューク・フリードの地球を守るための戦いが始まる」


そうそう、こういうお話でしたねえ。
私的には「デューク」っていうより「大介さん」っていう名前の方が馴染み深いんだけどね。
あの頃は寝ても醒めても「大介さん」だったなあ。(^_^.)
舞台が八ヶ岳の麓だったので、牧場で馬を走らせたり、さりげなくギターを弾いてみたり……と、やることなすこととにかくかっこよくて、乙女心はもうきゅんきゅん。
声をあててらしたのは、今は亡き富山敬さんで、これまたすっごくかっこよかったの。生まれて初めて覚えた声優さんの名前が「富山敬」さんでした。
BGM集の入ったレコードも買ったし、もちろんロマンアルバムも待ちかねて買いました。友人からもらった設定資料のきったないコピー(笑)とか、セル画とか、宝物でした。ああ、懐かし〜〜い。

テレビ放映の流れとしては、日本中に一大ロボットアニメブームを巻き起こした「マジンガーZ」とそれに続く「グレートマジンガー」の後に放映され、また「マジンガーZ」の主人公である兜甲児が脇役で出ているため、一連のシリーズものと思われているところもありますが、作品の内容的には全く関連性のない別物だと考えていいでしょう。
そうそう、この大介さんと甲児くんの関係が、今思うと、ひょっとしてBLの先駆けっぽく捉えられていたところがあったのかな。そういえば、当時から結構同人誌のネタになったりしてたもの(爆)。
でも、私としては、二人の関係はあくまでも熱い男の友情だったと思うし、そういう話が大好きでこの作品にはまったわけですからね。
むしろ、大介さんって女性の絡む話がやたら多かったので(デュークハーレムとか呼んでました…笑)、甲児くんとの関係がどうのっていうより、女性に対して節操無しとか博愛主義とか、そっちの非難が多かったような気がします。
「宇門大介は誰を愛していたか」なんて、サークルでリレーエッセイのネタになってましたもん。
今覚えているだけでも、ナイーダ(幼なじみで初恋の人だと思う)、ミネオ(大介さんの一目惚れか?)、ルビーナ(敵であるベガ大王の娘で、なぜか許婚なのだ!)、そして牧場ひかるっていうウザイ女もいたっけ(←実はひかるが大キライな私)。
私的には、デュークにお似合いなのは絶対ナイーダなんだけどなあ……と、これは余談。


●ロボットアニメのターニングポイント…だったのか?

さらにウィキペディアを調べてみると、次のような記述がありました。
「『UFOロボ』というネーミングや各種の設定には、当時の「空飛ぶ円盤」ブームの影響が顕著に表れている。また、これもUFO絡みで、巨大ロボットアニメとして初めて本格的に「宇宙人」を敵役に据えた作品としても特筆される(ロボットアニメ以外では、『宇宙戦艦ヤマト』や『宇宙の騎士テッカマン』などが先行している)。悪役のレベルが、それまでの作品で描かれていた「犯罪組織」や「マッドサイエンティスト」、「復活した古代文明」などによる「世界征服」から、異星人による「地球侵略」へとスケールアップすることになり、続く1976年の『大空魔竜ガイキング』、『超電磁ロボ コン・バトラーV』で、「宇宙からの侵略者」はロボットアニメの悪役として定着した。
一方、悪役のみならず、主役にも異星人を迎えた点も大きな特色。主人公といえば熱血タイプの日本人が定番だった中で、カタカナ名前の「異邦人」がメインというのは斬新で、さらに「亡国の王子」ということでそれまでになかった落ち着きのある、またつらい過去を持つ新しい主人公像を描き出した。他にも王族・貴族といったノーブル・ブラッドの概念や、デューク・フリードの中世の騎士を思わせる出で立ちなど、それまでなかったロマンティックな新風を吹き込み、後のロボットアニメの人物描写や、ドラマの幅を大きく広げる先駆けとなった。
マジンガーシリーズ、あるいは永井豪作品としては異色とされがちな本作だが、上記のような点では、ロボットアニメの大きなターニングポイントの一つであったと言える」


う〜〜ん、なるほど。そう言われてみればそうかもなあ。
まあ「それまでなかった云々」と言われても、これが最初に出会ったロボットアニメである私にとっては、難しいことはさっぱり分からないんですけど(笑)。
それでも、主人公がそれまでのアニメにありがちな少年ではなく、大人っぽい青年だった(設定年齢20歳ですって!)ことや、悲しい過去を引きずったちょっと陰のある設定だったことなどが、私のツボに入ったというのが大きいです。
それを「ロボットアニメの大きなターニングポイント」と言うのなら、確かにそうかもしれません。
この作品から、女子中高生のアニメファンがどっと増えた、なんていう話を聞くと、「ああ、私もそうやって製作者の意図に乗せられたクチなのか」と、ちょっぴりブルーな気分になってしまうんですが……。
確かに、主人公始め各話に登場するゲストキャラたちのビジュアルも、女性ファンを意識した美形だったなあ。前述の小松原一男さんや荒木伸吾さんが作画監督の回は、とりわけ絵がきれいでしたから。
でも! とここで声を大にして言うなら、私的には少々絵が崩れていても、お話がよければその方がいい、と思っていたんですけどねー(爆)。


●スタッフのみなさんへ…愛をこめて

さて、こうして「グレンダイザー」にはまった私は、しだいに演出や作画監督といったスタッフの皆さんに興味を覚えるようになりました。特に、演出家さんによって話の傾向が分かれるということに気がつくと、俄然自分の好きな演出家さんというのがはっきりしてきます。
この演出家さんのときは、絶対女性が絡んでくる話だとか(大笑)、この演出家さんのときは男の友情ものが多いとか、ね。
さらには、脚本はいいのに演出がイマイチだなあとか、もう少し演出で何とかならないのかとか。まあ、素人のくせに、ああだこうだとタカビーな意見を言ってみたり。
「グレンダイザー」の演出をしておられた方の中では、勝間田具治さん、小湊洋市さんのお二人が大好きでした。このお二人が演出された回は、いつもすごくいい話で、特に小湊さんは友情ものを作らせたらピカイチ! ほんとに毎回、感動の嵐でしたよ。
小湊さんにお会いしたくて、東映動画まで押しかけたりもしました。今思うと、冷や汗が出る……。若かったのね〜。(その節はご迷惑をおかけしました m(__)m )
あの頃は、ほんとにもうシャカリキになってアニメに喰らいついていた、っていう感じですね。自分の感性のすべてを注いで、ギリギリ精一杯の見方をしているものですから、見ている方も結構疲れるんです(笑)。
今は……。今ももちろんアニメは大好きなので、子どもと一緒に見たりしていますが、それなりに肩の力を抜いて楽しんでいます。


どうも「グレンダイザー」の話というより、「アニメにはまっていたあの頃の私」の思い出話になってしまってますね。すみません。
小湊さん訪問記とか、今だから言える裏話(!)とか、独断と偏見と私情で固めたオススメ回コメントとか、まだまだ語り出すときりがないのですが、それはまた別の機会に譲ることにしましょう。
つまらない戯言に長々とお付き合いくださって、ありがとうございました。

2007/11/1




愛しのだーすけさん♪

わが愛しのだーすけさん♪
モノクロのきったない落書きしかなかったのを
娘が修正かけて色まで塗ってくれました。サンキュ!





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