今月のお気に入り

ファイナルファンタジー\




今月のお気に入りは、「ファイナルファンタジー9」です。
FFシリーズは1から9までは(8を除いて)すべてやりましたが、中でも一番9が好き。
「原点回帰」をうたっているだけあって、RPGの王道、懐かしい剣と魔法の世界だし、話もとってもよくできてる(複雑すぎない)し、主人公のジタンはシリーズ中最もいいヤツだったし、とにかく演出もムービーも音楽もすべて最高!
先日ひょんなことからもう一度やり始めて(詳しくはこちらをご覧あれ)、しっかり、どっぷりとはまってしまいました。
なにしろもうずいぶんと昔にやったきりなので、細かいところは忘れてしまっていたのですが、あらためてやり直すと、「ああ、そうだった。こんなシーンもあったなあ。そう、これこれ。ここはよかったなあ……」と次々に記憶がよみがえってきて、またまたFF9の世界に引き込まれてしまいました。

●進化し続けるFFシリーズ

とにかく反射神経ズタボロの私は、ゲームといってもRPGかシュミレーションしかやらないのですが(「三国無双」は唯一まともに遊べるアクションゲーム……笑)、最近ではRPGでもコマンド入力だけじゃなく、アクション的な要素を取り入れたものもあって、こういう系のものは絶対クリアできないので困り物です……(爆)。
その点「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」シリーズは、基本的にコマンド入力でOKなので、こんな私でも楽しむことができるんですよね。
さて、ドラクエとFF、ファミコンの時代から日本のゲーム界を引っ張ってきた2大傑作シリーズですが、この2つのシリーズは、基本的なスタンスが大きく違います。
ドラクエの方は、よりRPGの原点に近いというか、自分が主人公になって、ゲーム世界を楽しみながら自分で話を作っていく、という感じ。それに対してFFは、主人公を操作しながら、そこに繰り広げられるストーリーを楽しむという感じで、映画を見ている感覚に近いものがあります。
だから、ドラクエでは基本的に登場人物の名前は決まっていません(自分の好きな名前をつける)し、主人公は示される選択肢を選ぶだけ(つまり、すべての選択肢はプレイヤーが決定するわけですね)で、主人公自身がセリフをしゃべったり、自分から誰かに話しかけたりすることはありません。
それに比べてFFは、ストーリーの進展にそって強制的なイベントやムービーが次々に展開して話が進んでいくため、自由度は低いのですが、その分、製作者が構築した緻密なゲーム世界を思う存分楽しむことができるんですね。
どちらが好きかというのは、人それぞれだと思いますが、私はだんぜん後者(FF)が好きです。もちろんそのためには、よく練られたストーリーと緻密な世界観、そして魅力的な登場人物、さらには感動を盛り上げるためのすばらしいムービーや音楽……といったものが不可欠なのですけれど。
そういったFFシリーズの持つ魅力が最大限に発揮された最高傑作が、このFF9なんじゃないかなあと思うんですが、ちょっとほめすぎ?(笑)

いろいろな意味で、日本のRPGはFFシリーズとともに進化してきた、といっても過言ではありません。常に新しいゲームシステムを積極的に導入してきましたし、ファミコンからスーパーファミコン、プレイステーション、さらにはオンラインゲームへと、新しいハードウエアでの展開を次々に切り開いてきたのもFFシリーズです。
思えば、プレイステーションが発売と同時にあれほど売り上げを伸ばしたのも、FF7がプレステで発売されたというのが大きな要因でした。FF7やりたさにプレステを買った、という人も多いのではないでしょうか。我が家もまさに、これに乗せられて買いましたから(笑)。
確かに、初めてFF7の画面を見たときの衝撃は忘れられません。オープニングムービーで、列車が走っているシーン、そこからぐーんとカメラがパンしてミッドガルの街が眼下に広がっていくところは、ほんとに鳥肌が立ちましたもの。
ゲーム画面のグラフィックといい、遠近や斜め操作ができるようになったことといい、すべてが驚きの連続、RPGの革命的な作品だったといっていいと思います。
前作のFF6は、スーパーファミコンゲームの最高傑作といわれていますが、FF7でプレイステーションという新しいハードに移った後、プレステの性能の限界まで使い切った最高の末期ゲームといわれているのが、このFF9なのです。
実際、これを見ると、プレステ2なんて必要ないんじゃない?と思えるくらいのクオリティの高さに圧倒されます。ゲーム画面からムービーへの移行もほとんど違和感がありませんし、ムービーの美しさは本当に目を見張るばかりです。
これ以降、FFシリーズはプレイしていないので、後の作品については全く分からないのですけれど、私にとっての最高の1本は、間違いなく「ファイナルファンタジー9」だと言えます。

●魅力あふれる登場人物たち

とにかく主人公のジタンが、とってもとってもいいヤツでね〜〜。くふ。
惚れ込む……という感覚とはちょっと違うんですが、私の考えるRPGの主人公としては、理想的なキャラクターといえるかも。
アニメなんかにしてもそうだけど、ゲームの主人公ならなおさら、いろいろと思い悩んだりうじうじしたり、過去にいつまでもぐだぐだと捉われているような暗い性格のコは、私的にはちょっとダメなんですよ。
やっぱりみんなを引っ張っていくには、とことん前向きで元気で、考えすぎないタイプじゃないと。ちょっと軽すぎ?って思えるくらいでちょうどいい。
FF7は、主人公のクラウドが悩みすぎる主人公で、話も暗くて(終わったあとも何かすっきりしないし)、やっていてしんどかったなあ。そういう意味では4のセシルも前半暗すぎ。5のバッツや6のロックみたいに、陽性のキャラの方が私は好きですね。
ジタンはというと、しょっちゅう女の子のことばかり考えているような軽いヤツなんですが、何よりも仲間を大切にするし、どんなときでも決して立ち止まらない「打たれ強さ」がかっこいい。
そんな彼が、ガーネットと出会い、身分の違いやらなにやらいろいろ悩みながらも、初めて本当の恋を知ります。さらに、さまざまな人と係わり、多くの事件を乗り越える中で、人間的にも大きく成長していきます。
FFシリーズ中、最もキザなセリフを吐く主人公、なんて言われ方もしているジタンですが、私は熱くて一本気な彼の男らしさが大好き! 最高に私好みのヤツでしたね。

その他の主要キャラたち、さらには脇役たちも、それぞれに個性があり、またそのキャラなりのドラマを持っていて、とっても魅力的なんです。
主要操作キャラは8人ですが、それ以外にもチラッと出てくる盗賊団タンタラスのメンバーや(ブランクがめっちゃかっこよかったな〜〜)、最初は敵として登場するベアトリクスもいいヤツだし。そういうところにも手を抜かないっていうか、ほんの脇役でもしっかりキャラが立ってるんですよね。
娘のお気に入りは黒魔道士のビビ。かわいくて、けなげで、そしてとても悲しいキャラクター。彼がいることで、物語が魂を持ったといいましょうか、ホントにビビは「男の中の男」だったよ〜〜。
息子は竜騎士のフライヤがお気に入りでした。彼女の凛とした生き様に心打たれるのだとか。
ヒロインのガーネットも、(ゲームではイマイチ使えなかったけどね……爆)最初は何も知らず、ひとりでは何もできないお姫さまなんだけど、女性として、人間として、そして一国の女王として成長していく過程がすばらしい。これぞ、まさしく「ヒロイン」と呼ぶにふさわしい女性です。
その他にも、ガーネットを守護する誠実な(頭が固いともいう…笑)騎士 スタイナー(我が家では「スタイナーのおっさん」で通ってますけど)。
召喚士の村の生き残りで、モーグリたちと暮らしていた孤独な少女 エーコ。
敵を「食べる」ことによって敵の魔法を覚えていく、ク族のクイナ。
自分の腕だけを信じて生きている格闘家 サラマンダー。
などなど多彩なメンバーでパーティー(4人)を組み、キャラを育てていきます。
職業というか属性はあらかじめ決まっていて、覚えられる技や魔法もそれぞれのキャラによって決められていますので、自分の思うようにキャラを成長させていく自由度はありませんが、それだけ一人ひとりの性格付けや役割が、きちんと決め込まれているということなのでしょうね。

●そして……感動のエンディング

こうしてリバイバルで始めたFF9、先日ようやくクリアして、涙のエンディングを再び見ることができました。
もっとも、エンディングを見るだけなら、娘のデータ(ラスボス戦直前)があるので、いつでも見られるんですけれど。でも、やっぱり自分で育てたデータでクリアするのは、ひと味もふた味も違うんですよ(笑)。
何しろ最初にクリアした時は、攻略本も何も(もちろんネットの情報なんていうのも)まったくなかったので、とにかく取り忘れやコンプリートし損ないが多くて、レベルも装備も恐ろしくへぼいし、今思えば、よくまああんなメンバーでクリアできたもんだと思います。
最終ジタンのレベル、50いってなかったかもしれません……(爆)。
今回は、何しろ完全攻略本付き、それより頼もしい娘と息子のアドバイス+お助け機能付き(大笑)で、ほんとにさくさく効率よく進めることができました。
チョコボは、娘が(趣味で)せっせと鍛えてくれたし。カード勝負も娘におまかせ。さらに子どもたちから教えてもらったレベル上げの裏ワザ(!)炸裂で、すごく楽して鍛えられましたから。
どうも私って、面倒くさいことが大嫌いなんです。ゲームでも、純粋にストーリーを楽しみたい方なので、こういった寄り道的なミニゲームは、必要がなければほとんどやらないんですよ。地道なレベル上げっていうも嫌いですしね〜〜。
そのあたりを子どもたちがカバーしてくれたので、後半はさほど苦労することもなく、ラスボス戦も楽勝でした! 正直、え?もう勝っちゃったの?っていう感じだった……。

そしてそして、感動のエンディング。
ほんとに、何度見てもいいですね。
今までのストーリーや、やってきたことが次々に思い出されて……。
そりゃあもう、泣けますとも……!
ナレーション(ボイスはないので文字だけですが)がビビの語り、っていうだけで、すでにぐっときてしまう。あれからの残された時間を、ビビはどんな風に生きたんだろう。楽しかったのかな。幸せな日々だったらいいな……。

「僕の記憶を 空へあずけにいくよ」

もう、ここで、こらえきれずに号泣です〜〜。
そして、ジタンの見せ場! マントを脱ぎ捨ててガーネットに呼びかけるシーン。
きゃ〜〜、めちゃくちゃかっこいいのよぉ〜〜! \(~o~)/
傍目も気にせず、愛する人めがけて走っていくガーネットもかわいいしぃ。
スタイナーとベアトリクスもいいヤツだぁ(←なぜか泣ける)。
ジタンの胸に飛び込んだガーネットの目から大粒の涙。ジタンの胸をたたいて……。
「ばか、ばか、ばか!」
「ゴメン」
「今までどこへ行ってたの? 心配してたのに。死ぬほど心配してたのに」
「ほんとに、ゴメンな……」
よしよし、って感じで彼女の髪を撫でるジタン。
セリフは聞こえないんだけど、きっとこんな会話をしていたんだろうなあ――。えへ。
そこに流れてくるエンディングの白鳥恵美子さんの曲「Melodies of Life」が、これまた鳥肌ものなんです。歌詞がね、ほんとに胸にぐぐっとくる……。
1番はガーネット、2番はビビの歌詞になってると思うのだけど、特に2番!

  めぐり会うのは 偶然といえるの
  別れるときが必ず来るのに
  消えゆく運命でも 君が生きている限り
  命は続く 永遠に その力の限り どこまでも

  私が死のうとも 君が生きている限り
  命は続く 永遠に その力の限り どこまでも続く

ここで再び号泣……。
そして、かぶさってくるFFのメインテーマ。これを聞くと、(――ああFFだなあ)って心から思ってしまいます。しみじみとうれしくなっちゃうんです。
本当に、この演出のすばらしさは何なんでしょう?
植松伸夫さんの音楽といい、ムービーの美しさといい、スタッフロールにはさまれるダイジェストムービーといい……。
かなり長いエンディングですが、映画1本見たのに匹敵するくらい感動します。
このエンディングを見るためにやり直したFF9、やっぱりそれだけの価値がありました。
ということで、FF9バンザ〜〜イ!!


2007/6/1



●もっと詳しく「FF9」を知りたい人はこちら



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